マーケティング分析の多くは、会議を乗り切るために存在しています。定例の合間には誰も開かないダッシュボード、誰もが内心では信用していないアトリビューションモデル、何も決めずに済むよう組み立てられた四半期報告。私がつくるのはその逆です。CFOに対しても、計測されている顧客本人に対しても、声に出して説明できる計測です。
続けている習慣はシンプルで、ほとんどが流行とは無縁です。まず、計測の設定は信用する前に監査します。誰も確認していない設定こそ、数字が最初に狂う場所だからです。アトリビューションは真実を告げる装置としては扱わず、突き合わせて使う「役に立つ嘘」の集まりとして扱います。そのうえで、今のダッシュボードが見落としている電話やオフラインの成果も取り込みます。インクリメンタリティ(増分効果)は、どのマーケティングチームでも実施できるホールドアウトテストで証明します。データサイエンス部門は要りません。342対1というリターンも、ダッシュボードの数字があまりに良すぎて自分の名前では保証できなかったため、この方法で検証しました。マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)は、予算規模とチャネルの広がりが見合う場合に使い、見合わなければはっきり「不要」とお伝えします。そしてガバナンス。UTMや命名規則をそろえるという、きわめて地味な規律が、来年の問いに答えられるかどうかを左右します。
成果物の基準は、これまでで最高のクライアントから拝借したものです。「すべての分析は、意思決定で終わる」。気づきでも検討事項でもなく、決定です。しかも、その決定を覆すことになる数字をあらかじめ明記します。ダッシュボードは、使う人が実際に開くようになるまでつくり直します。たいていはグラフを減らし、言葉を平易にし、月曜に何をすべきかを1ページで示すことになります。
プライバシーは、障害ではなく設計上の前提条件として扱います。同意を得たうえでの計測、眠らせずに使うファーストパーティデータ、形だけではない現実的なクリーンルームの活用、そしてHIPAA(米国の医療情報に関する法律)の審査をすでに通過した規制業種向けの設定。数字には自信があるのに、意思決定には自信が持てない。その差を埋めることが、私の仕事です。たいていは、これまでに聞かされたベンダー3社分の提案よりも短く済み、最後には迷わず説明できる数字が残ります。
